6月29日午前10時から、コンセーレ(栃木県青年会館)にて、「LRTに反対する会」が総会・活動報告会を開催します。
会員以外も参加できるとのことです。
問い合わせは同会(電話028・634・7059)まで。
LRTは、決して事業者と行政だけに委ねてよい問題ではありません。
良くも悪くも事業の影響を直接受けるのは市民だからです。
賛否の立場にかかわらず、まずは実態を知ることから始め、来るべき意思表示の機会に自分の意思表明をできるようにしておくべきと考えます。
現在、宇都宮においてLRTに対する賛否の意思表明を明確にしている市民団体が2つあります(宇都宮市が賛成・推進の立場であることはみなさんご存知のとおりです)。
1つは「雷都レールとちぎ」。こちらは賛成派です。
もう1つは今回ご案内する集会を開催する「LRTに反対する会」。こちらはその名の通り反対派です。
まちづくりについて市民の意見がわかれるだけでなく、それを公にアピールする場としてのグループが形成され、活発に活動することは、当該団体に関わらない市民にとっても、様々な情報や知見に触れる機会を与えてくれる点で良いことだと思います。
今年の冬は宇都宮市長選、栃木県知事選が実施されますね。
きっと、「熱い冬」になることでしょう。
LRT問題も争点になると予想されています。
まだLRTに対する理解を深めていない人は、来る選挙に備えて、今回のようなLRTに関するイベントには積極的に参加されることをお勧めします。
また、賛成反対の意志をすでに固めているという人も、対立する団体のイベント等にアクセスし、異なる見解に接してみるのは、自分の理解の検証や、信念の是非を確認する意味でも有意義なことと思います。
管理人は実はまだ立場を決めかねていますので、できるかぎり多くの情報と知見に触れる努力をしているところです。
LRTに関する書籍やサイトも多くありますので、LRTに関する基礎知識は割合容易に入手できます。
賛成派の雷都レールとちぎでは、サイトにてLRTの説明冊子を販売しています(私も一部購入しましたが読みやすいと思いました)。
「反対する会」にはサイトがまだないようなので、なぜ反対なのか、詳細に、しかしわかりやすく解説したり、活動を告知したりするサイトを立ち上げていただきたいですね。
LRT問題は、環境社会・高齢社会への適応、コンパクトシティのインフラ、事業採算性、等々いくつかのキーワードにまとめることができますので、このキーワードを念頭に置きつつ、賛否両論の提示する情報や知見に注意深く接することで、多彩な論議も混乱せずに理解できると思います。
LRTの基礎知識を身につけたら、次の段階として、宇都宮市の交通事情や財政状況、交通政策以外のまちづくりと齟齬はないか等、宇都宮固有の問題との関連にアンテナを張り、広い視野で考えることが必要です。
ほかでもない、この宇都宮にLRTを走らせていいのか?という話なのですから、宇都宮の現状把握と、LRT実施による都市機能と市民生活への影響を踏まえずに賛否を決定することは、およそ不可能です。
たとえば、こんなことを考えてみましょう。
「明日から1週間、宇都宮市の公道におけるバス、電車、タクシー以外の車両の使用を禁止する」という社会実験をするのです。
私の予想ですが、宇都宮でこのような実験を行うと、規制を守る人と無視する人が入り乱れて大混乱になると思います。
こういった大胆な規制を短期間の告知で浸透させ容認させるためには、「会社でも学校でも、遅刻は一切おとがめ無し」、「車の運転をしたら免許取消」「病院や介護施設には、市内の全タクシー、バス会社が無償で提供する」といった臨時特例を一方で実施することが必要になると思います。
ただ、それでも事前に十分な広報をしておかないと、実験の存在自体を知らない人はどうしても出てきますし、たとえ知っていても「どうせ警察も全部の違反なんて検挙できないさっ」という感じで、通勤通学や買い物に車を使う人は続出します。
そして「みんなやってるんだから私も・・・」ということで、週末が近づくにつれて違反が続出していき、なし崩し的にこの実験は強制終了することになるでしょう。
何が言いたいかというと、「宇都宮が圧倒的な車社会であること」は、おそらく大多数の市民の共通認識だということです。
加えて、現在のところ、網羅性、利用者数の見地から最も宇都宮市に浸透している公共交通は「バス」です。定時運行に難があるなど問題点はありますが、鉄道の発達していない宇都宮市内では公共交通の王様とでもいうべき存在です(ただし、最近では「人ではなく空気を運んでいる」と揶揄されることもあるように、一部運行ルートの廃止等苦しい状況が見られます)。
このように、宇都宮市民の骨の髄まで染みついている「車の便利さ」「バスの手軽さ」を覆すだけの支持を、あるいは同等くらいの支持をLRTが得られるのか。これが分水嶺になると思います。
莫大な税金を投じるのですから、完成後の影響を直接受ける市民の理解と支持がなければ、このLRT事業の正当性が担保されないことは言うまでもありません。
したがって、わたしたち宇都宮市民が最も危惧しなければならないのは、市民の間で議論が熟成せず、したがって行政も市民の意向をくみ取れず、結果、市民の理解も支持も得られないままに、一部の人のごり押しや、一部の人の利害得失を基準に判断され、決定されてしまうという事態です。
これは、LRT事業を推進する場合だけの話ではありません。
LRT事業を白紙にし、別の公共交通政策を模索する場合や、そもそも公共交通政策に着手さえしないという極端な消極的決定がされる場合にも、起こりうる話です。
こうなると、せっかく賛成反対両者が、多くの時間と労力をかけて研究をし、その成果を市民に提示して理解を求めた努力が水泡に帰します。これは本当にむなしいことですし、万が一そのようなことがあれば、まちづくりに積極的に参加しようという市民はいなくなってしまうかもしれません。
もう選挙まであまり時間がありません。
行政のみなさん、そして市長、知事。どうか寸暇を惜しんで、全力で、市民県民のLRT理解に向けて奔走してください。
これまで市や県が、積極的に市民に対し(長所短所両方の)情報をわかりやすく公開し、議論し、考える機会を十分に提供してきたかというと、正直申し上げて全く不足していると思います。
予算や人員の制約があることはわかりますが、それでもメディア等で目立って報じられるのが市民団体の活動であるのは、やはりまだまだ行政の動きが少ないことが原因ではないでしょうか。
事業の運営方法等の決定はまだですが、「上下分離方式」を採るのならば、少なくともLRTの敷設には莫大な税金を投入するのですから、「人手が足りない」「時間がない」などと四の五の言っている場合ではないはずです。
まずは、「雷都レールとちぎ」「LRTに反対する会」といった相異なる立場の市民が一同に会して議論するシンポジウム等を開催することをご提案いたします。
単純に賛成反対各論者が順番に演台に登壇して主張を唱え、その後休憩をはさんだ後1時間ほどのディスカッションをする・・・などという当たり障りのない形式的議論は時間の浪費です。
そういう形式のシンポジウムでは、十分な討論がされないまま時間切れとなる傾向にあるからです。
LRTの個別具体的な論点について、各論者に十分な研究をふまえた資料を用意してもらい(議論の食い違いで時間の浪費をしないよう、たたき台となるデータについては共通のものを使用することが必須です)、市民にわかりやすく説明することを意識しつつ、率直な討論を、十分な時間をかけて行うのが適切です(ネット中継や後日の冊子化、WEB配信も必要です)。
上記論点は事前に市民にも告知し、当日は十分な質疑応答時間を設けて、来場者にも討論に参加できる仕組みが理想でしょう。
あるいは事前にアンケートを実施し、暫定的民意を把握した上で討論のたたき台とすることも良いでしょう。
異なる角度からの見解に触れることができるだけではなく、それが信頼あるデータに基づいており、市民も安心して考え、意志決定できる情報を提供する。そういう機会をぜひとも設けるべきです。
金はかかるがそれに見合う意義のあるこういう仕事こそ、行政の力の見せ所ではないでしょうか。
こういう仕事に当てられるならば税金も使われがいがあるというものです。
市は総合計画に、市長はマニフェストに、それぞれLRT推進を盛り込んでいるわけですから、論争の当事者として、また事業主体として、上記機会のセッティングは「職務上の義務」として励行しなければならないと思うのですが、職員のみなさん、そして、市長、知事、いかがお考えでしょうか。
なお、ここで注意が必要です。
選挙で争点とされた大きな政策は、落選した候補者の唱える意見の不当な締め出しが慣例となる傾向にあります。
「だって、LRT賛成派(反対派)の市長を選んだのは我々有権者でしょ?それが民意なのだから、今さらLRT反対(賛成)とかいうのは筋違いじゃないの?」
というように・・・
おざなりな広報を軽くやっただけで、その後の選挙結果を受けて「LRTについて推進する(見直す)という選択が宇都宮市民の民意である」などと宣うのは、無責任な言行だと思います。
選挙である論点を大きな争点とするのであれば、それに見合うだけの周知徹底をしてからでなければ、「民意を勝ち得た」という主張に説得力など無いことに留意しなければなりません。
ただし、(論の流れが矛盾するようで申し訳ありませんが)たとえ大多数の得票数で当選した候補者が唱える政策であっても、当選後に一切検証不要となる訳ではない点もあわせて留意すべきです。
なぜなら、選挙後の自治体の財政状況その他の事情により、当該政策を押し通すことが、民意に合致しなくなることもあるからです。
マニフェストに掲載した政策が、任期終了まで必ず妥当性を維持し続ける保障はないということです。
特に、宇都宮のLRT問題は、事業規模の大きさや都市機能・市民生活に与える影響の大きさの点で、当面、宇都宮における最重要政策となります。慎重な分析と判断が必須です。
新しい公共交通の整備を考えることは、その都市の全体像を俯瞰し、未来の都市像を再構築する、正に大事業です。
有権者に限らず全市民の英知を結集し、最善の結果を求めて精魂傾けるだけの価値があると、私は考えます。
このように重要なLRT計画ですから、市民不在の計画にだけはならないよう心から祈ると共に、わたしたち市民も存分に勉強して、偏った判断や見切り発車がされないよう、注視していきたいですね。
管理人 ミヤリー
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