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2009年5月24日 (日)

大通りの景観まちづくりを考えるシンポジウム~報告①

本日午後1時半より,中央生涯学習センターにて宇都宮の景観を考える連続シンポジウム第2弾を開催しました。

昨年は第1弾としてJR駅東口の景観を考えるシンポでしたが,今回は大通りがテーマです。

まず基調講演として,パナソニック電工(旧松下電工)の長濱龍一郎氏からヴァーチャルリアリティ(VR)を活用した景観まちづくりについてお話いただきました。

私が考えていた「景観まちづくりに活用されるVRの本領」は,「現場に行かなくとも実体験あるいはそれ以上の多角的広角的視野から街づくりをイメージさせる」点にありました。

しかし長濱氏が特に強調されたのはVRの持つ「空間データを継続して共有していくツールとしての機能」でした。



たとえば一度大通りの街並みデータを入力してしまえば,それを基に大通りにおける特定事業(たとえば再開発)での様々な設計・デザインのシミュレートだけではなく,その後各所で施行される事業(道路整備,広場整備,アーケード・照明・植樹の整備等々)に流用できます。

今までは,各事業ごとに業者に発注し,そのたびに街並みの写真を撮り,入力し,基本設計を起ち上げ,細部を仕上げていくという手間暇もコストもかかる作業の繰り返しでした。

その点,VRで一度正確な街並み情報を入力しておけば,その後のどんな事業内容でもコストを抑えつつ,迅速にイメージの変化を視覚化できます。



街の変化する過程をいつでも誰にとっても明快なイメージで共有できる。

それは「街づくりの貴重な財産を,利害関係者以外の人も含む地元住民みんなで共有していく」という実にポジティブな考え方です。

VRの技術を街づくりのために活かす仕事は,単に空間イメージの提示だけにとどまらず,開かれたコミュニティの形成へと続いていく持続的・発展的試みなのだろうと納得しました。



また長濱氏の説明によれば,この試みを拡げる実践として,VRソフトで開発したデータについて所有権の規制を強くかけず,誰でも共有できるようにしているとのことです。

普通ならば著作権のこだわりを考えるところですが,街づくりは街に暮らす人々のものであるという思いからデータの公開をされています。

以前テレビ番組で,VHSテープの開発を進めたビクターが,新しく開発した技術を競合他社にも広く公開した結果,日本のビデオ市場がベータからVHSへと形勢逆転した話を見ました。

ビクターには「長時間録画というベータにないVHSの利点を一般家庭は求めているはず」という確信に基づく戦略がありました。

VRデータの共有とはまた異なる話ですが,片や長時間録画を求めていた消費者のニーズのため,片や景観まちづくりの門戸を拡げるイメージツールの普及のためと,どちらも利己の意識だけでは生み出せない潔さに共通項があるといえるでしょう。


~②に続く





管理人 ミヤリー

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